SAP Cloud ERPコラム　第5回：プロジェクトが止まる企業・進む企業の違い 成功の鍵「Discovery Workshop」とは？

前回は、SAP Cloud ERP における導入成功の鍵「Fit to Standard」というアプローチについてご紹介しました。
（ご参考：Fit to Standardとは？　SAPで実現できる“新しいERP導入の常識”）

今回はその実践的な第一歩として、多くの企業が最初に取り組む「Discovery Workshop（ディスカバリー・ワークショップ）」について解説します。
SAP Cloud ERP の導入では、「業務要件をまとめてからRFPを出す」という従来のERP導入の進め方とは異なり、SAPの標準業務プロセス（ベストプラクティス）に“どれだけ合わせられるか”を実機ベースで検討するところからスタートします。
この初期ステップが「Discovery Workshop」です。

「Discovery Workshop」とは？

SAP Cloud ERPの標準プロセスを、実際のシステム画面で体験・確認するワークショップです。
会計・販売・購買・プロジェクト管理などの主要業務領域ごとに、該当スコープアイテムを一つひとつ検証します。
ワークショップの結果として、以下が明確になります：
●実際に採用する業務スコープ（BOM＝Bill of Material）の確定
●拡張・連携が必要な項目の洗い出し
●プロジェクト導入期間・費用の精緻な見積もり

「Discovery Workshop」はなぜ重要なのか？

従来型ERPでは、構想策定・要件定義に数カ月をかけるケースも少なくありませんでした。
しかし、SAP Cloud ERPでは「すでにあるものをどう活かすか」が前提となるため、
このDiscovery Workshopが、“将来像を明確化する場”として非常に重要です。
また、この段階で以下がクリアになります：
●SAPベストプラクティスに対する業務フィット度
●想定される課題（例：法制度、拡張要件、インターフェースの有無）
●ユーザー部門の理解度・協力体制の見極め

「Discovery Workshop」の参加メンバー

「Discovery Workshop」には以下の様なメンバーに参加頂き、それぞれの役割を担当頂きます。
担当 　　　　　　　　　　　役割
経営層 　　　　　　　　　　戦略的意思決定、導入目的の明確化
業務部門責任者　 　　　　　各業務領域の実務フィット確認
IT部門 　　　　　　　　　　拡張・連携要件の検討
プロジェクトマネージャー　 体制・スケジュール検討

「Discovery Workshop」の流れ

以下、1例ではありますが「Discovery Workshop」の流れについてご紹介します。
1. 初回キックオフ（SAP/パートナーより進め方を共有）
2. 各業務領域ごとのプロセス紹介と実機デモ（各業務領域で複数回のセッション)
3. 拡張・連携・非機能要件の確認（必要に応じてAPIも）
4. プロジェクト費用と期間の目安を提示

以下のようなご要望がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
・導入スコープや期待効果を具体化したい
・費用感や期間を早い段階で把握したい
・社内の合意形成を進める材料が欲しい
・Fit to Standardに共感しつつ、実際の業務適合を体験してみたい

「Discovery Workshop」についての資料を用意させて頂きました。
ご覧頂けます様、お願い致します。
Discovery Workshop ガイド

これまで全5回にわたって、成長していく企業のために、ERPの検討～SAP Cloud ERPの導入ポイントをご紹介してきました。
次はぜひ、貴社の課題や状況にあわせた具体的な検討フェーズへ進んで頂き、
将来に向けて変革を進めて頂きたいと思います。